世界のクイズ情報(3)日本で参加できるクイズボウルの大会「IHBB」の紹介

 今回は、今年7月にベルリンで開催された歴史のクイズ大会、International History Olympiad(IHO)に日本から参加された店長さん(@quiztencho)に、IHOの紹介を2回に分けて行っていただきます。前半となる本日は、毎年東京でも開催されている地区大会のInternational History Bee and Bowlをご紹介いただきます。
 それでは、ごらんください。

 


 こんにちは! 店長と申します。

 

 以前WorldQuizInfoさんが取り上げられたように、海外には様々なクイズ大会があります。その中でも「International History Bee and Bowl」、略して「IHBB」を紹介します。

 

 IHBBは、アメリカの人気クイズ番組『Jeopardy!』において19連勝、総獲得賞金約43万ドルの記録を持つDavid Madden氏とその妻のNolwenn氏によって運営されている、歴史問題限定の中高生向けに行われる英語のクイズ大会です。秋から春にかけて世界各国で地区大会が行われており、各大会における成績優秀者やチームは、毎年夏に開かれる各地域のChampionshipsや、隔年開催のHistory Olympiadの出場権を得ることができます。例年、日本では冬と春の2回、東京で大会が開かれており、毎年多くの中高生がしのぎを削っています。

 

 「Bee and Bowl」の名が示す通り、この大会は個人戦のBee部門と団体戦のBowlに分かれています。チーム対チームで行われるBowlは、地区大会においては予選5試合に加えてプレーオフが行われます。以下の4つの「クォーター」に分けられています。
  - 第1クォーター: 1問につき10点が与えられる、一般的な早押しクイズが行われます。解答権はボタンを押したプレイヤーにのみ与えられ、チーム内での相談行為は禁止となっています。誤答した場合、減点のペナルティはないものの、その問題におけるチームの解答権は失われてしまいます。
  - 第2クォーター: 第1クォーターと同じ形式で問題が出題されますが、各問題後、同じく正解につき10点が与えられる、短文のボーナスクイズに挑戦できます。
  - 第3クォーター:「ライトニング」と呼ばれるこのクォーターは、この大会で唯一早押し機が一切使われないものです。各チームは与えられる3つのジャンルの中から1つを選び、タイムレース風に出題される8問の問題を、1分以内に答えられるだけ答えていきます。誤答した場合、その問題の解答権は相手に移ってしまいます。出題されるジャンルは「ハンザ同盟」から「戦後日本」まで多岐にわたります。また、1問正解で10点、全問正解で20点のボーナスが与えられるため、このクォーターでいかに得点を稼げるかが勝利のカギとなります。
  - 第4クォーター: 第1クォーターと同じ形式で問題が出題されますが、NAQTにおけるPowerのように、早い段階で答えると30、もしくは20点が与えられます。先三つのクォーターで遅れを取っていても、このクォーターでの大逆転もありえます。
 プレーオフの進出は勝利数、のち獲得ポイントで決定されます。チームの人数は補欠の2人を加えて最高で6人ですが、1人での出場も可能なので人数の心配はご無用です!

 

 個人戦のBeeもBowlと同じように、5試合の予選ののちプレーオフが行われます。1問正解につき1ポイントが与えられ、8ポイントで勝ち抜けとなります。中学生の部のMiddle Schoolでは25問、Junior VarsityとVarsityの部では30問の限定問題数が与えられ、早く勝ち抜けば勝ち抜くほどポイントが上乗せされます。誤答による休みや失格のペナルティはありませんが、3人が誤答した時点でその問題はお流れとなります。また、「3度目の誤答で、なおかつ押されたポイントが問題文の途中」の場合のみ、減点が適用されます。

 

 Bowlの第3クォーターを除き、問題は他のクイズボウル大会と同様、徐々に易しくなっていく複数のフリによって構成されています。一方、問題の難易度自体は、「侍」や「安倍晋三」などが出題される日本関連の問題は特に易しく、「ちょっと英語が苦手かも...」という方でも安心です。また、インターナショナルスクールに通う参加者も多く、とても新鮮な経験ができるかと思います!

 

 いかがでしたか? 少しでもIHBBに興味を持っていただけたら幸いです! 「英語に自信はないけど、歴史やクイズは好き!」「海外式のクイズを体験してみたい!」という方は、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか?

 

参考:
アジア地域のIHBBの公式サイト
http://www.ihbbasia.com/

 

ルールや過去問が乗せられている「Resources」
http://www.ihbbasia.com/about-2/resources/

 


 次回はIHOの参戦記を掲載予定です!